『流行に踊る日本の教育』第5章@独り読書会

第5章 インクルーシブ教育
大空小学校:発達障害の子たちも通常学級で学ぶ
 
本章は、大空小学校とUD授業を対比させ、類似/相違点を抽出している。
大空小学校:発達障害の子たちも通常学級で学ぶ
 
包摂をしています!と豪語している人間、企業、教育は何を排除しているかに着目することが何より重要。包摂は「排除の排除」であるため、排除の一類型。
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■UD授業について
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他の子どもたちにとっても「あると便利な『支援』を目指す授業」(佐藤、 2010)とされ、特に、授業デザインにおいて、「 焦点化」「視覚化」「共有化」を重視しています (桂、2011)。「焦点化」とは授業のねらいや活動をしぼること、「視覚化」とは、視覚的な手がかりを効果的に活用すること、 「共有化」は、話し合い活動を組織化することの重視です 具体的な授業方法はさまざまですが、たとえば、「机の上に置く物の位置を統一する一 「持ち物の統一」「姿勢の統一」といった学習規律を明確にしたり、「黒板にまずは黄色 のチョークでめあてを書く」「黒板の前面の掲示物をなくす」「物語文の登場人物を考えるときは、黒板に吹きだしをかいて、視覚的にする」といった教育技術を明確にするといったことが、現場に採用されます。
 
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結局、現状のインクルーシブに対する語りは、知的障害などのマイノリティの子ども の学びを十分に検討しないまま、「自分たちが教育しやすい」「論じやすい」子どもを 対象に話を進めている印象を受けます。限定的インクルーシブ教育ともいえます。