『流行に踊る日本の教育』第10章@独り読書会

第10章 社会に開かれた教育課程

 

PDCAのPがズレていればDもCもAもズレていることになる。教育課程づくりも授業時数の縛りを超えたものにもならず、限定的なものにならざるを得ない。教員を主語としない形でこれらが行われるのであれば、まだ時間的余裕があるが教員にもあれこれ求めているような気がしてならない。全体の優先順位の中でどの辺りに社会に開かれた教育課程とカリキュラムマネジメントが位置づけられると中教審はじめ文科省など行政は想定しているのかが気になるところだ。
 
■社会に開かれた教育課程
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そこでは、まず「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」等、従来の学校や指導のあり方等を改善するための視点が示されました。それらを推進する中心理念とされたのが「社会に開かれた教育課程」という考え方
 

 

 
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①社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を持ち、教育課程を介してその目標を社会と共有していくこと。
②これからの社会を創り出していく子供たちが、社会や世界に向き合い関わり合い、自ら の人生を切り拓くための資質能力とは何か、教育課程で明確化し育むこと。
③教育課程の実施に当たって、地域の人的物的資源を活用したり、社会教育との連携 図ったりし、学校教育の目指すところを社会と共有・連携して実現すること

 ■カリキュラム・マネジメント

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①各教科の相互関係を重視、教科等横断的な視点で、学校教育目標の達成に必要な教育内容を組織的に配列していくこと。
②子供や地域に関する調査やデータに基づき、教育課程の編成・実施・評価・改善のPDCAサイクルを確立すること。
③地域等の外部資源も含めて活用しつつ、教育活動に必要な人的・物的資源等を、教育内容と効果的に組み合わせること。

 

■コミュニティ・スクール
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①「開かれた学校」から一歩踏み出し、目標やビジョンを地域と共有し、地域と一体に なって子供たちを育む「地域とともにある学校」へ転換する。
②「子どものみならず、大人も学び合い育ち合う体制」を、個別バラバラに展開するのでなく、地域で一体的・総合的に構築する。
③学校を核に地域の人々が協働して、地域の将来を担う人材を育成するという「学校を核とした地域づくり」を推進する。