藤田英典(1997)『教育改革:共生時代の学校づくり』目次

目次
はじめに
「学校が統廃合される」といううわさの波紋
共同性の基盤としての学校
教育における消費者主権のゆくえ
選択と共生-民主主義社会の二大理念
パブリック・スペースとしての学校  
 
第一章 教育改革の時代
1 岐路に立つ日本の教育
岐れ道の性質2
四つの理念的立場4
「第三の教育改革」とポストモダン6
 
2 教育改革の論理と展開
四つの中軸原則と学校教育の発展9
成立局面における中軸原則12
拡大局面第一段階における中軸原則14
拡大局面第二段階における中軸原則18
 
3 欧米の教育改革
教育改革の世界的動向23
注目される日本の教育25
振り子のようなアメリカの教育改革29
イギリス経済の再建と教育改革33
 
4「再構造化」時代の教育改革 40
欧米と逆行する日本40
「改革」を実行する奇妙なロジック43
教育批判の論拠としての「個性」46
「制度疲労」と「規制緩和」がはらむ問題52
 
 
第二章 「六.三三制」と中等教育
1 社会資本としての初等.中等教育 60
ハンバーガー・ショップでの経験60
現代産業社会の活動水準と能力水準62
新保守主義教育改革論の台頭と「卓越性の追求」65
「基礎に帰れ」と文化的リテラシー66
根強い欧米美化論・欧米追従論70
教育の基礎性・知識の先進性・企業活動のベンチャー性74
 
2 公立中高一貫校の問題点 77
一貫校推奨論の論点77
一貫校のエリート校化と受験競争の低年齢化79
中学校から始まる制度的格差81
中学段階での学校選択84
根拠薄弱な教育的メリット論87
 
3苦悶する中等教育
矛盾する三つの目的91
選抜機能、そして、青年期の教育94
学校体系の三類型97
イギリスの学校体系と選抜・振り分け102
ドイツの学校体系と選抜・振り分け105
フランスの学校体系と選抜・振り分け106
中等教育システムの機能と編成原理109
 
4エリート教育の位相113
民主主義時代のエリートとは113
飛び級制・中高一貫校と「六・三・三制」117
中等教育改革の三つの公準119
 
第三章 教育福祉社会の思想―青少年の生活空間をどう考えるか
1学校週五日制の理想と現実126
<怠惰な生活時間の増大>-学校週五日の帰結(1)126
<怠惰な生活時間の増大>-学校週五日の帰結(2)127
学校週五日制という政策がはらむ矛盾132
導入の背景135
私事化・自由化と階層差の拡大140
授業時数削減と<学校教育の理想>の受難144
個人主義的個性観と間人主義的個性観147
151文明論と文化論の交点で151
 
2パストラル.ケアと青少年の生活環境 153
イギリスにおける「教育病理」問題153
パストラル・ケアへの関心の高まり156
パストラル・カリキュラム159
パストラル・ケアの四つの次元162
「青少年保護条例」「子どもの権利条約」の位相165
牧人的世話
 
第四章 教育問題と教育改革169
1. 教育問題とは何か 170
教育問題と「改革の気分」170
「問題」の制度化とカウンセラー配置の意義174
問題の取り違えとその危険176
認知問題としての教育問題180
当為問題、計画問題、調整問題としての教育問題183
2「教育病理」現象の展開と背景 189
噴出する「教育病理」問題189
「教育病理」現象の原因論191
転換期としての一九七〇年代194
学校化社会のアイロニー197
不透明な制度と権威への反抗201
学校化社会と情報化社会・消費社会の狭間で204
 
3 いじめ.不登校と学校改革の課題208
いじめ・不登校の原因は学校にあるのか?209
いじめの四類型と学校・教師の責任211
不登校・高校中退の四類型と教育機会の多様化215
 
終章 学校再生の戦略ー学校選択か、学校づくりか
223
学校選択制推進力の三つの特徴224
アメリカにおける学校選択制の展開227
アメリカにおける学校選択制の諸形態230
シカゴの学校独立運営制、イースト・ハーレムの学校選択制、チャーター・スクール234
日本における学校再生の可能性239
共生時代の学校づくり241