大人の不在
ちょいと一言。
アリエスという人が『<子供>の誕生』を書いたのは1960年。それからもう55年という月日が流れているんですね。この本は、大人と子供という区分に疑問を呈した著書です。一言で要約すれば、彼の主張は「子供も大人だ」でしょう。この子供を発見したのは『社会契約論』や『エミール』で有名なルソーと言われています。
アリエスもルソーも大人という存在を自明視しています。身体的な発達の面で言えば、成人という状態は存在しています。私が着目したい点は内面、つまり精神面です。
この曲を聴いてふと思いました。歌詞の一部を引用します。
不意にぶつかったような実は故意に仕組まれたような問題が
限界を超えた見解に達した
もうわからない
そう、くらだらないと諦める
不正解だと叫んだって正解の正解がわからない
本当のこと言い合っても 何も変わらないかもしれないし
僕らは変わることを怖がってるから
もう何もかも忘れて
もう忘れて
もう忘れて
もう忘れて笑い合って
楽に生きなよ って言われてても
大人じゃないからさ
無理をしてまで笑えなくてさ わかってはいんだけど
気付けば周りがくすんでいた
大人になったふりしても言葉飲み込んじゃうから
悔しく思ってるよ
曲がりなりにも背負ってるつもりなんだ
大人って本当にいるんでしょうかね。私は大人なんでしょうか。道端歩いていく人達は大人なんでしょうか。法律で規定しただけの子供じゃないんでしょうか。
先輩/後輩の規律を重んじることができる人間が大人。空気を読む人間が大人。言いたいこと言えない人間が大人。
みんな子供で未熟な存在なんだと考えた方が、人を変に決めつけたり自分の考えを押し付けたりするようなことが減るような気がするんですけどね。あなたはどう思いますか。